2011-12-26

111225 八ヶ岳阿弥陀岳北稜

この日の天気図



8:11 赤岳鉱泉発
この日の予定は、山小屋の朝食無しで出発の予定だったが、前日、赤岳主稜をやったので余裕ができた。朝食を食べてから出発。

8:43 行者小屋
阿弥陀も赤岳も見えない。稜線の状況が悪いことを覚悟する。

9:07 文三郎と阿弥陀夏道への分岐

9:22 斜面取り付き
夏道の沢に着いたところで先行パーティーを追いこす。ここでトレースは、夏道沿いの沢と斜面を稜線に登り上げるトレースに分かれている。天候が良くないので稜線に出れば、風に吹かれるところだが、逆にその日の状況がよくわかるだろうということで稜線に登り上げるトレースをたどる。
行者小屋から阿弥陀方面
まもなく稜線に出た。相変わらず視界は悪い。しかし、強風が吹き付けているわけではない。どんどん稜線通しに登り上げる。

9:46 ジャンクションピーク
名前は、かっこいいが、特にどうということもない地点だ。いったんここで傾斜はゆるむが、傾斜などお構いなしにどんどん登る。途中から、斜度がきつくなってくる。両手をついて登るようになってくる。雪の着いた斜面に手をつくと手の感覚がなくなるほどに冷たい。
ときおり、前のパーティーがうっすらとみえる。アイゼンの爪痕がはっきり残っていたのでさほど時間は、経っていないことは、予想できていた。我々のさらにひとつ前のパーティーも同じルートを取っていた。我々の前のパーティーが1ピッチ目を登り上げるところだった。


第1岩峰手前の稜線
10:02 北稜第一岩峰取り付き 
第1岩峰は、向かって左側面から取り付く。
1番手前。3メートルほど登ったところにハンガーボルトが打ってある。しかし、取り付きにボルトは、ない。前のパーティーのアイゼンの爪痕が岩の間の雪に残っていた。前のパーティーは、一番手前のルートだった。
1番手前から3メートルほど奥に行ったところの取り付きにビレイ用のペツルのハンガーボルトが2本打ってある。



10:20 登攀開始
我々は、下から3メートル奥のルートを選んだ。
下から見るとただの岩登りじゃないかと思うようなルート。食指がのらないルートだ。
今日は、自分が1ピッチ目のリードをする。
取り付いて昨日との違いに気付く。
この岩場は、傾斜は、緩いが、ホールドが、丸まっている。
手袋をしたままでホールドをつかむには、頼りない。
1ピッチ目取り付き
いわゆる嫌らしいルートだ。
傾斜が緩いため岩の間に草付きが、多い。
アイスのように草付きにバイルを突き刺して登りたいほどだ。
かわまず、木をつかみアイゼンを草付きに差し込んで足で立って登り上げる。
リッジに出たところで左足のアイゼンが外れた。ちょうどクライミングの必要がなくなって2足歩行で進めるところだった。傾斜がきついところだったらやばかった。
進行方向5メートルほどにピナクル。このピナクルでピッチを切るか一瞬躊躇したが、アイゼン無しでも歩いていける。さらに7、8メートルほどで第2岩峰の取り付きにハンガーボルト2本が打ってあるのが見えた。
左足のアイゼンをぶらぶらさげたまま、第2岩峰の取り付きまで進む。
1ピッチ目は、40メートル以上は、あったと思う。距離があったので大きな声でビレイ解除と叫んだが、声が届いていない可能性があった。
打ち合わせ通り、最初に強く引いたらビレイ解除、2度目にまた強く引いたら登って良い。
特に心配はなかった。
組んだパートナーとの呼吸で合わせていくのだ。
声など聞こえなくてもロープを引き上げ、ビレイを構築しフォローで登ってくるビレイをしていく。
1ピッチ目リード
フォローで登ってもらったところでアイゼンを付け直す。
リードを交代する。2ピッチ目第2岩峰を登っていくのをビレイする。
しばらくして何か声が聞こえるがはっきりとは聞き取れない。
1ピッチ目と同じロープの動きを判断して解除してフォローで登り上げる。
2ピッチ目もすぐにクライミングは、終わり。後半は、傾斜の緩い雪稜の歩きだった。
2ピッチ目の終了点は、灌木でビレイを取っていた。
終了点についてわかったのだが、最後の細いところが、ナイフリッジだった。
雑誌やガイドブックの写真では、ナイフリッジの名の通り、両側が切れ落ちていて落ちたらやばいと感じさせる絵になるところだ。
晴れていて見通しが良ければバックは、北八で高度感が抜群、かっこよい写真が撮れるポイントなのだろう。
実際には、通り過ぎてからわかったぐらいだから、たいしたことはなかった。すたすた普通に登山道を歩く感覚だった。
2ピッチ目終了点からのビレイ
ガイドブックでは、3ピッチで登るのもあるのだが、2ピッチ目が終わるとこの先は、緩斜面だ。ロープをまとめて歩き出す。

11:11 登攀終了
11:21 阿弥陀岳山頂

登攀終了点から、10分程度の歩きで山頂に着いてしまった。
あっけなかった。
冬期バリエーション初挑戦には、良いルートかもしれない。しかし、初挑戦でも実力がある者には、あっけないと言うよりものたりないかもしれない。
山頂は、ガス。風が吹き付けていて視界は、ほとんどない。
これで我々の2年越しの目標は、達成できた。

12:01 行者小屋
14:10 美濃戸駐車場着
ナイフリッジ

二人とも冬期バリエーションがやりたかった。
しかし、その当時、会で冬期バリエーションをする者は、ちょうどいなくなっていた。
山岳会なのに冬期バリエーションをする者が一人もいない。
どうする?と話し合ったのが2シーズン前の冬だった。
ルートの経験者無しで冬期バリエーションは、正直不安だった。
しかし、選択肢はなかった。
先輩を頼りにはできない。
自分たちだけで解決しなければならない。
内心忸怩たる思いもした。
フリークライミングに力を入れだしたのも同じ思いだからだった。
二人ともあれもこれもちょこっとやっては、なにひとつ一丁前になっていなかった。
それぞれがこれでは、だめだと感じていた。
バリエーションをするなら基本は、クライミングができなければ話にならないと思い、2010年春から黒岩に通い出した。
冬期バリエーションは、阿弥陀南稜からトライすることにした。
二人で調べ上げて1回目は、2010年3月。P2までで吹雪のためP3P4を残して敗退。
その2週間後、2回目で阿弥陀南稜を登り上げた。

次に目指したのが、赤岳西壁主稜と阿弥陀北稜だった。
1回目は、2010年12月29日。強烈な寒波で敗退した。
今回2回目だった。
所属山岳会に冬期バリエーションを復活させるという大それた思いはない。
ただ、興味を持つ会員がいて一緒に行きたそうな顔をされたのは、感じた。
自分たちも初めてだから、連れて行くことは、できなかった。
まずは、自分たちが登りあげてからだ。
連れて行ってもらって登っていれば、もっと早い時期に登っていただろう。
でも、これで良かったと思う。
2日間で頬にできた凍傷は、すぐに消えてなくなってしまう勲章なのだ。

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